栄光の国鉄急行列車


<九州の急行>

ひかり 〔HIKARI〕 DC急行       2012年5月13日新設

  新幹線の愛称として、あまりにも有名なひかりですが、1964年10月の東海道新幹線開業前に、九州内の急行、準急としても輝かしい経歴がありました。急行ひかりは1958年(昭和33年)4月25日に、博多〜別府間の九州内初のDC臨時急行として誕生、九州に初配属されたキハ55系が使用され、当時DC列車で急行というのはひかりだけでした。

 同年5月1日からは、豊肥本線経由の熊本〜別府〜博多間に運転が延長され、同年8月1日からは門司港〜別府間の編成も加わり定期化されましたが、種別は準急に格下げされました。1959年4月からは、門司港編成が都城まで延長され、同年9月からは更に、日豊本線で西鹿児島まで延長されました。これによりひかりの運転区間は、博多、門司港〜西鹿児島、熊本間運転となり、九州の主要都市を結ぶスケールの大きい列車となりました。その後、1962年10月改正では、キハ58系化により再び急行に戻されました。

 写真は、日豊本線、宮崎県の青井岳駅で交換する急行ひかりです。車両はキハ58、上り急行「ひかり」902Dレ、西鹿児島から門司港、博多へ向かう編成です。1964年3月にTakazawa様が撮影された大変貴重な写真を掲載しています。この写真は急行ひかりとしては廃止直前の姿です。

hikari01.jpg (48065 バイト) 急行<ひかり>キハ58 青井岳駅にて 1964年3月 Takazawa様撮影

写真は、同列車のアップです。専用のHMが取りつけられていてひかりの文字が、はっきり読み取れると思います。上の写真の青井岳駅で交換通過を待つ列車は、準急錦江です。

hikari02.jpg (69063 バイト) 急行<ひかり>キハ58 青井岳駅にて 1964年3月 Takazawa様撮影

 その後、1964年10月1日開業の東海道新幹線超特急ひかりの愛称に大抜擢されたため、九州の急行ひかりは、廃止となり、西鹿児島編成が急行にちりんに、熊本編成が急行くさせんりに改称されました。急行にちりんは1968年10月1日に、特急化されDC特急にちりんとなりました。

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